― 言葉だけでなく、イメージで伝えることの大切さ ―
情報を詰め込みすぎると、本質が見えなくなる
SNSやウェブサイトで、自分のブランドやサービスについて伝えるとき、「これも伝えなければ」「あれも知ってほしい」と情報を詰め込みすぎてしまうことがあります。
しかし、伝えたいことをすべて言葉で説明しようとすると、逆に印象が薄れてしまうことがあります。本来の強みや個性が埋もれ、受け取る側が何を感じ取ればいいのか分からなくなってしまいます。
これは、ブランドだけでなく、サービスにも当てはまります。たとえば、提供するサービスの特徴をすべて細かく説明しようとすると、どこに価値があるのか分かりにくくなり、「なんとなく良さそうだけれど、結局どういうもの?」とぼんやりとした印象になってしまいます。
余白があるからこそ、ブランドやサービスが際立つ
Appleやハイブランドの広告を思い浮かべてみてください。そこには、長々とした説明はありません。ただ、厳選された言葉とビジュアルがあるだけです。それだけで「このブランドらしさ」が伝わってきます。
情報を制限することも、ブランディングの大切な要素のひとつです。すべてを言葉で説明しなくても、見る人が感じ取る余地を残すことで、ブランドやサービスの印象はより深く、強く刻まれます。
サービスにおいても同じことが言えます。利用者が「体験の中で価値を感じられるように設計する」ことが大切で、情報を詰め込みすぎるのではなく、適切な余白を持たせることで、より伝わるものがあります。余白を意識すると、ブランドの強みが際立ちます。

言葉だけでなく、イメージで伝えることも大切
言葉で伝えることももちろん重要ですが、それだけではなく、イメージで伝えられることの大きさを昔から大切にしてきました。
写真やビジュアルは、言葉だけでは伝えきれない感覚や雰囲気を表現できます。特に写真は、瞬間の空気感やストーリーを直感的に伝える力があり、ブランドやサービスの印象をより深く印象づけることができます。ブランドの世界観やサービスの価値は、ロゴや写真、デザインのトーン、演出の仕方など、視覚的な要素にも宿ります。
伝えすぎるよりも、見る人が「感じ取れる」状態を作ること。それも、ブランディングのひとつの手法だと考えています。

イメージコントロールも、ブランディングの一環です
ブランディングとしてのイメージコントロールは、一朝一夕で完成するものではありません。時間をかけて積み重ねることで、ブランドやサービスの印象が定着し、人々の記憶に残るものへと育っていきます。
ブランドやサービスの印象は、意図的にデザインしなければなりません。
単に「おしゃれにする」「きれいに見せる」だけではなく、どのような印象を残したいのかを考え、意図を持って見せ方をコントロールすることが重要です。
たとえば、同じサービスでも、写真のトーンやビジュアルの選び方によって伝わる印象は大きく変わります。シンプルで落ち着いたイメージにするのか、華やかで活気のある雰囲気にするのか。それによって、見る人が感じる価値も変わってきます。
イメージコントロールを適切にデザインすることで、ブランドやサービスの価値を正しく伝えることができます。
伝えることを整理し、イメージを適切にデザインする
何を伝え、何を伝えないかを整理すること。そして、言葉だけでなく、イメージや空気感で伝えること。
この2つが合わさることで、ブランドやサービスの印象は研ぎ澄まされます。
以前の記事(伝えることを整理する) でも書いたように、「情報を整理すること」は、伝わるブランドやサービスをつくる上で欠かせません。

情報を整理し、ブランドやサービスの印象をクリアにするために
ブランドの世界観やサービスの魅力を伝えるには、「あえて伝えない」「余白を作る」ことも大切です。
言葉で説明しすぎるのではなく、適切にデザインし、イメージを通じて伝えていくこと。
それによって、意図した印象を残し、ブランドやサービスの本質がよりクリアに伝わるようになります。