「あなたのブランド(サービス)には、どんなストーリーがありますか?」
なぜストーリーが必要なのか
現代のブランド環境
今は情報があふれる時代。その中でただ目立つだけではブランドやサービスは生き残れません。刹那的に(もしくは短期間)バズって人気が出て商品が売れるといった現象は当然あって、SNSプラットフォームではそのような商法や商材も多く存在します。オンラインで販売するとか人気を作るという場合、こうした手法がもてはやされて、今人気があるものをリサーチして安く仕入れECに乗せたり、番組で取り上げられる商材を扱ったり、そのような手法も昔からあって否定はしません。
反面、簡単に目に触れるものや流行りではなく、自分で選んで自分で決定したいといったスタイルの消費者は単なる商品の比較ではなく、その背景や価値観を重要視しています。そうした人に選ばれたいとか、自社の商材は本質があって他とは違うんだといった方向性で運営するビジネスの場合、ブランドやサービスにストーリーがないと、「埋もれる」のは時間の問題です。
ストーリーの力
ストーリーはブランドを「ただの選択肢」から「共感の対象」へと変える力を持っています。例えば、Appleがただのコンピュータ会社ではなく、イノベーションの象徴として認識されているのは、創業者スティーブ・ジョブズのストーリーがブランドと融合しているからです。
今一度、自分たちの背景を掘り下げ、その魅力を発信してみてください。ストーリーの力で、ブランドは新たな価値を見つけることができます。
ストーリーがブランドにもたらすもの
(1) ブランドの個性を明確にする
「ストーリーはブランドに唯一無二の個性を与える」
市場には同じような価格や性能の商品が溢れていますが、消費者は自分の価値観に共鳴するストーリーに惹かれます。
例 : オーガニックコスメブランドが「自然との調和」を掲げるだけではなく、創業者が大病を克服した経験から開発を始めたという背景を語ることで、他のブランドと差別化されています。
私的意見 : 共感を得るために感情へ訴える要素として大病や自分が苦労していた環境などを多く例にあげる手法は、やり方を間違えるとかなりあざとい。そしてこれは近頃情報商材の講座で横行していることを感じるので、正直あまりおすすめしませんが、書き方と個性を探すという例として捉えてくださいね。
(2) 共感と信頼を生む
「人は感情で動く」
消費者は商品のスペックだけでなく、その背景にある思いや価値観に共感します。ストーリーは信頼を生み、ブランドとの長期的な関係を築くきっかけとなります。
例 : 小さなベーカリーが「母から子へ受け継がれた100年のレシピ」を語ることで、地元住民の支持を集めています。
私的意見 : 背景にある価値観への共感としての歴史的レシピはいいと思います。でもそんなに歴史ある場合が少ないと思うので創業者がどのような想いを持って素材やデザイン、売り方にこだわっているかなど見せてもいいのではないかと思います。
(3) 記憶に残るブランドを作る
「記憶されないブランドは選ばれない」
ストーリーは消費者の記憶に刻まれ、選ばれるブランドへと導きます。特に、ブランド誕生のエピソードやミッションが感動を呼ぶものであれば、口コミで広がりやすくなります。
具体例 : アウトドアブランドPatagoniaは「環境保護への強いコミットメント」というストーリーを持つことで、多くの支持を集めています。
私的意見 : エピソードやミッションをきちんと作って正しく伝えていくことが大切。ぶれずに同じテンションとトーンで時間をかけて目にふれさせて目で覚えさせることもいいかもしれませんね。
ストーリーを作るための3つのポイント
(1) 自分たちの「原点」を掘り下げる
- 創業のきっかけや背景は何か?
- どんな問題を解決したくて始めたのか?
(2) ブランドの「価値観」を明確にする
- ブランドが大切にしていることは?
- 社会にどんな貢献をしたいのか?
(3) 消費者との「共通点」を見つける
- 消費者が共感できるエピソードはあるか?
- 商品やサービスを通じて消費者にどんな体験を届けたいか?

ストーリーを持つことでブランドは生き残れる
ストーリーはブランドに「魂」を吹き込みます。ただの存在ではなく、人々の心に訴えるブランドに変えるのです。ストーリーを持たないブランドは忘れられてしまうかもしれませんが、共感を呼ぶストーリーを語れるブランドは記憶され、支持されます。
「あなたのブランドには、どんなストーリーがありますか?」
今一度、自分たちの背景を掘り下げ、その魅力を発信してみてください。ストーリーの力で、ブランドは新たな価値を見つけることができます。
「本質を見つめ、物語を紡ぐブランド作り」
これまで記載したように、現代は情報が溢れ、多くのブランドが消費者の目に触れるものの、その中で本当に「記憶に残る」ものはわずかです。ただその時に目を引くだけのデザインや発信は、いつの間にかどこかに埋もれて忘れられてしまいます。
ブランドやサービスの存在を記憶に刻むのは、その背景にある「物語」が重要であるといえます。どんな想いから始まり、何を大切にしてきたのか。そのストーリーが、ブランドに命を吹き込みます。そしてそれを正しい形で世間に発信すること。
私が大切にしているのは、「美しいその瞬間やそのものを見つける感性」です。それは、華やかさだけではなく、日常の中で見過ごされがちな温かな気配や本質的な価値。ブランドや人や企業の持つその魅力を掘り起こし、視覚(デザイン)と言葉で紡ぐこと。持っている本人はその良さにフォーカスしていない場合も多々あるのです。
例えば、クライアントの企業のプロジェクトでは、創業当初に大切にしていた「日本のものづくり」を軸に、ロゴやデザインを見直しました。そこに隠されていたストーリーを視覚化し、さらに今の時代背景にマッチしたエッセンスや表現を加えて掲載することで、消費者が「これが私の選びたいもの」と感じる企業へと生まれ変わり今も大きく成長をしています。
ストーリーを持つブランドは、人々の心に響き、選ばれ続けます。
あなたのブランドやサービスにも、まだ言葉にされていない「物語」が眠っているかもしれません。
これから一緒に探してみませんか?